ノーマルオープン型とノーマルクローズ型の電動ボールバルブの選び方

電動ボールバルブは、様々な用途において不可欠な機器です。ほとんどのソレノイドバルブは、新しい位置にある間は継続的に通電されますが、電動ボールバルブは、開から閉へ、あるいはその逆の切り替え時のみ電力を消費します。電動ボールバルブは、開閉速度が速く、シール性が高く、操作が簡単なため、様々な産業システム、水処理、空調設備、さらには家庭用給水システムにも広く使用されています。電動ボールバルブを選択する際に最も重要な決定事項の一つは、常時開(NO)型と常時閉(NC)型のどちらを選ぶかです。この選択は、システム全体の安全性、安定性、そしてエネルギー効率に直接影響します。以下では、定義、コアとなる考慮事項、そして実際の適用シナリオから、選定基準を詳しく説明します。

1. まず定義を明確にしましょう:ノーマルオープン型とノーマルクローズ型の電動ボールバルブとは?

選定を行う前に、この2種類の基本的な違いを理解することが重要です。この違いは、電源が遮断されたとき(手動操作を除く)のバルブコアの状態によって決まります。次の図は、NO型電動ボールバルブとNC型電動ボールバルブの主な特徴を示しています。

  • ノーマルオープン(NO):電源が遮断されると、バルブは全開状態のままです。電気信号を受信すると(電源が投入されると)、バルブはコアを回転させて閉じ、流体の流れを遮断します。再び電源が遮断されると、スプリングなどのリセット機構の作用により、自動的に開状態に戻ります。
  • ノーマリークローズ(NC):一方、電源が遮断されると、バルブは完全に閉状態になります。コアを回転させて開き、媒体の流れを可能にするには、電気信号(電源オン)が必要です。電源が遮断されると、コアは自動的に閉じ、媒体を遮断します。
Normally Open and Normally Closed Electric Ball Valves Diagram

2. コアの選択基準:システムの安全性と機能要件から始める

ノーマリーオープン型とノーマリークローズ型のどちらを選択するかは、恣意的ではなく、システムの障害状態要件と日常の運用ロジックに基づいて決定されます。以下の4つの重要な要素に重点を置く必要があります。

要素1:停電後の「安全状態」の優先順位

これは最も重要な基準です。予期せぬ停電(システムでよくある障害)が発生した場合、バルブの状態は、システムが安全上の事故(漏れ、過圧、機器の損傷など)を引き起こさないことを保証する必要があります。

  • ノーマリーオープン(NO)を選択:停電後、危険を回避するために媒体は「流れ続ける」必要があります。例:
    • 産業機器の冷却水システム:電源が遮断された場合、機器の過熱や損傷を防ぐために、冷却水は循環し続けなければなりません。この場合、停電後も冷却水路が閉塞されないよう、常時開の電動ボールバルブを使用する必要があります。
    • 化学薬品貯蔵タンクの換気配管:停電後、揮発性ガスの蓄積によるタンク内の過圧を避けるため、通気弁を開いたままにする必要があります。過圧はタンクの爆発につながる可能性があります。
  • 常時閉(NC)を選択:停電後、リスクを回避するために、媒体の流れを「停止」する必要があります。例:
    • 家庭や工場のガス供給配管:停電が発生した場合、ガス漏れを防ぎ、火災や爆発事故を防止するため、ガスバルブを直ちに閉じる必要があります。ここでは、ノーマリークローズ型の電動ボールバルブが最適です。
    • 化学試薬供給パイプライン:有毒または腐食性の試薬の供給中に電源が遮断された場合、試薬の漏洩による環境汚染や人身事故を防ぐため、バルブを迅速に閉じる必要があります。

要因2:日常の運転頻度との適合

バルブの種類は、システムの「日常のオン/オフ頻度」と一致させることで、エネルギー消費を削減し、バルブの耐用年数を延ばす必要があります。

  • ノーマリーオープン(NO)がより適している:システムが日常の運転中に媒体を「長期循環」状態に保つ必要があり、バルブを閉じるのは一時的な操作(定期的なメンテナンスや調整など)である場合。例えば、住宅地の主給水管は24時間給水する必要があり、バルブはメンテナンスが必要な場合にのみ閉じられます。常時開型を選択すると、閉弁時にのみ電源を入れる必要があるため、長期的な電力消費を回避できます。
  • 常時閉型(NC)の方が適しています:システムで媒体の流れが「時々」必要で、ほとんどの時間は閉じた状態である場合。例えば、家庭用給湯器の給水バルブは、給湯器が水を補給するときにのみ開く必要があり、それ以外の時間は閉じたままです。ノーマリークローズ型を選択すると、開状態を維持するための頻繁な電源投入を回避でき、エネルギーを節約できます。

要因3:システム制御ロジックとの互換性

バルブが指示を正しく実行できるようにするには、バルブの種類と制御システムの信号出力ロジックが一致している必要があります(PLCによる自動制御やリモート制御システムなど)。

例えば、インテリジェント灌漑システムでは、「毎日午前8時に散水」し、「1時間後に散水を停止」するように設定されています。灌漑パイプラインがほとんどの時間閉じた状態である場合は、ノーマリークローズ型の電動ボールバルブの方が適しています。システムが「散水信号」(電源オン)を送信するとバルブが開き、1時間後に信号が遮断(電源オフ)され、バルブが自動的に閉じます。常時開弁のバルブを使用すると、灌水していない期間でもシステムは「閉信号」(常時通電)を送り続ける必要があり、エネルギー消費量が増加するだけでなく、長時間通電によるバルブの故障につながる可能性があります。

要因4:媒体特性の考慮

媒体の物理的・化学的特性(粘度、腐食性、固化しやすいかどうかなど)もバルブの選定に影響します。

  • 固化しやすい媒体(溶融アスファルト、パラフィンなど)の場合:バルブを長時間閉じた状態に保つと、媒体がバルブコア内で固化し、バルブが固まって開かなくなる可能性があります。この場合、システムが許容できるのであれば、媒体を長時間流し続け、固化を防ぐために、常開型電動ボールバルブを推奨します。
  • 腐食性の高い媒体(強酸や強アルカリなど)の場合:バルブを長時間開状態のままにしておくと、シールリングが媒体によって腐食され、シール性能が低下する可能性があります。システムを時々しか開状態に保つ必要がない場合は、シールリングと腐食性媒体との接触時間を最小限に抑えるために、常閉型を選択できます。

結論として、常開型と常閉型の電動ボールバルブの選択は、システムの安全性と効率性に密接に関連する決定です。システムの障害対応要件、日常の運用習慣、媒体の特性を十分に考慮することで、最適なバルブタイプを選択し、システム全体の安定した運用を確保することができます。

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